2015年12月17日
今まで錆がどういうものか大雑把ですが紹介させて頂きました。
その錆に対して弊社ステンレス製釣針は電解研磨と言う表面処理で対処しています。
弊社のステンレス製釣針は求められる強度&硬さ&靱性を熱処理加工にて得ております。
高炭素鋼と同等の強度&硬さ&靱性を誇っております。
この熱処理加工は世間一般のステンレスでは出来ません。
特殊なステンレスですので特殊な表面処理を施しております。
2015年12月17日
海水は想像以上に鉄を錆びさせます。
塩化物イオンを含む海水は鉄の酸化を促すからです。
弊社工場は海水浴場の近くにありますが以前所有していた社用車が故障した時に言われました。
「こんな部分が錆びるなんて通常では在り得ない」
「山に不法投棄されている車のような錆び方」
過酷な使い方をしていたことは否めませんが、物凄い錆び方だったようです。
別の社用車も、その時ほどのことは言われませんでしたが、
「こんなに錆びた車は見たことが無い」とは言われました。
海水の近くに置いて在るだけでこれです。
海水に浸かるような状況下は、鉄分を含む金属には過酷な環境下だと思って下さい。
2015年12月17日
そもそも錆とはなんでしょうか?
化学的には大気中の酸素と金属が反応して酸化した状態のことです。
錆=赤錆が一般的なイメージですが。
上記の化学的意味合いを踏まえて言いますと。
美しく輝く光沢を持つステンレスでも錆びていることになるのです。
厳密にはステンレスのクロム等が錆びている(酸化)と言うことですが。
美しい光沢はステンレスに含まれるクロム等が酸化して形成した酸化被膜によるものです。
この酸化被膜は安定しているので下地の金属を酸化させません。
ステンレスの化合物が先に錆びて主成分の鉄を錆から守っている訳です。
一般的に錆と認識される赤錆ですが、
この状態は下地の金属(ステンレスの場合は鉄)まで酸化した状態です。
(厳密には酸素と一緒に水分子とも反応した状態)
この錆はクロムの錆(酸化被膜)とは違い剥がれ易いので内部まで浸透し易いのです。
剥がれ易い故にクロムの酸化被膜を内部から破壊して行きます。
錆=赤錆とした場合。
それは下地の鉄の酸化が始まってクロム等の酸化被膜を破壊した状態のことです。
2015年12月16日
ステンレス=錆びない。
このイメージが一般の方には強いのではないでしょうか?
しかし金属を扱う従事者では「ステンレスでも錆びる」と言うのが常識だと思います。
じゃあ何故一般の方には「ステンレス=錆びない」が定着しているのでしょうか?
ステンレスは色々種類が在ります。
ステンレスとは主成分が鉄(Fe)それにクロム(Cr)やニッケル(Ni)等を含む合金です。
(以前、ステンレスメッキと言うのを耳にしたことがありますが、、、苦笑)
それ以外にも多種多様な元素を組み合わせて添付しています。
その添付した元素の組み合わせの数だけステンレスの種類が在ると言われています。
その中で一般的に使用され目に付くのはSUS304と言う規格です。
このステンレスは強さや硬さ靱性などは求められないものの耐食性&溶接性&加工性が非
常に良いです。
それ故に用途が大変広いです。
このSUS304ですが、通常の環境下いわゆる日常生活では十分すぎる位の耐食性です。
高温&海水&薬品等に近づくことが無ければ発錆は目にしにくいでしょう。
(経年による目に見えない穿孔の発錆は在り得ます)
おまけに日常生活でSUS304でも発錆しそうな場面ではSUS304以上に耐食性の高いステン
レスが使われる場合も在ります。
皆さんが日常生活で目にするステンレスは錆びにくい環境下なのに耐食性の高いステンレ
スが結果的に使用されている訳です。
ステンレス=錆びない。
定着しても仕方ないと思います。