その一匹を逃さない!プロのマグロ漁師が「ステンレス釣り針」を選ぶ本当の理由

その一匹を逃さない!プロのマグロ漁師が「ステンレス釣り針」を選ぶ本当の理由

一本の針が、航海のすべてを決める

 

大海原で繰り広げられる、巨大マグロとの真剣勝負。その結末を左右するのが、たった一本の釣り針です。もし、この一本が折れたり、伸びたりしてしまえば、それまでの時間、労力、経費、そして大きなチャンスのすべてが水の泡となってしまいます。

私たち小松啓作商会は、創業から160年以上にわたり、日本のマグロ&カツオの漁業用釣り針市場の7割を支える「一家相伝の技術」を受け継いできました。プロの漁師たちが道具に懸ける想いを、誰よりも深く理解しています。今回は、なぜ今、プロの現場で「ステンレス製」の釣り針が選ばれているのか、その理由を徹底解説します。

 

コストより価値!プロが選ぶ「生涯使える針」

 

プロの漁師が道具を選ぶ基準は、とてもシンプルです。それは「漁獲を最大化し、コストを最小化できるか」という点に尽きます。

確かに、ステンレス製の釣り針は、従来のメッキ針に比べて高価です。しかし、プロは目先の価格ではなく、道具が持つ「生涯価値」で判断します。従来のメッキ針は、海水で時間がたつと錆びてしまうため、再メッキの為に頻繁な交換が必要でした。針から発生した錆が、他の金属製漁具に移ってしまう「もらい錆」も発生する可能性が有ります。

その点、ステンレス針は海水に非常に強く、錆びにくいのが特徴です。針先が鈍っても、研ぎ直せば何度でも最高の状態で繰り返し使えます。一本の針を長く大切に使い続けることは、交換コストを抑えるだけでなく、海に廃棄されるゴミを減らすことにも繋がり、未来の海を守るためにも役立っています。

素材だけじゃない!針の真価を引き出す「表面処理」の世界

 

実は、釣り針の性能は素材だけで決まるわけではありません。その性能を100%引き出すために欠かせないのが「表面処理」です。

かつて、釣り針の素材が鋼だった時代、「錆」への対策が必須でした。私たちは、錆を防ぐために様々なメッキ技術を磨き上げてきました。魚が好む色と言われ、非常に錆に強い「特殊合金メッキ(スズ二重メッキ)や、コストパフォーマンスに優れた「スズ電極メッキ」など、用途に応じた最適な処理を追求してきました。

やがてステンレス製の釣り針が登場し、錆の問題は大きく改善されました。しかしステンレスは「錆びない」のではなく、あくまで「錆びにくい」だけです。素材の性能を完璧に引き出すには、表面をコーティングで「覆う」のではなく、表面そのものを「最高の状態に仕上げる」新しい技術が必要だったのです。

 

「電解研磨」がもたらす効果

 

ステンレスのポテンシャルを最大限に引き出す技術、それが「電解研磨」です。これは、電気と化学の力で金属成分の一部をミクロン単位で溶かし、目に見えないレベルで平滑化&鏡面化にする技術です。

 

防錆性能の向上

 

ステンレスが錆びにくいのは表面にある「不動態皮膜」のおかげです。ステンレス内に含まれるクロムと酸素で形成された酸化被膜を言います。電解研磨を行うと表面の鉄成分のみを溶かしクロム濃度を高めます。その結果、耐食性が格段にアップし、過酷な塩水環境でもより錆にくくなります。

 

160年の伝統と革新が生んだ一本を、その手に。

 

私たち小松啓作商会が、ステンレス針に最先端の電解研磨を施す理由、それはプロの厳しい要求に応えるための、一切妥協のない選択だからです。160年以上受け継がれてきた伝統の技と、最高の技術を融合させ、強度、耐食性、貫通力、そのすべてにおいて最高の性能を発揮する釣り針を追求して行きます。

  • 5.2寸(4.0mm)トローリング専用釣 特カン ステンレス製: トローリング終了後に手入れをすれば何度でも使える耐食性と、巨大魚のパワーを受け止める強度を両立。

  • 土佐啓作釣 特製釣針 2.4寸(4mm) No13型 極少振 リング付 ステンレス製: 延縄漁に実際使用されています。レジャーでも泳がせ釣り等に使えます。

この一本が、皆様のビジネスと海の未来への最高の投資となることと思われます。プロフェッショナルとして漁業に情熱を注ぐ皆様へ、この究極の一本を自信を持ってお届けします。

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